
舞台編『ヒーロー2』三日目。
久野さんの言葉を足場に、二日間で積み上げたものを、本物の舞台でさらに積み上げていきます。
と、数時間を遡り。
新しく加入したメンバーを加え、制作会議を行いました。
制作・スチールの北村泰一さん、演出助手の中村一規さん。
これまでの『階』にも参加されていました。
北村さんは、舞台ではなく物語をフィルムに収められる写真家です。
中村さんは、劇場の知識や経験が豊富で整理整頓が上手なお兄さんです。
お二人とも『階』に馴染みがあるためか、かつてない速さで話はまとまり、四人は地上へ。
ふたたび地下へ。
客席編オーディション以来の船場サザンシアターです。
当時は出演者の片桐慎和子さんと七井悠さんが、椅子を用いたエチュードをされていました。
今日は、この劇場ならではの上質な客席から、舞台編のお二人を観ていました。
どこを振り返っても黒い壁と壁。
そこへ重くのしかかる暗幕。
ここは劇場です。
生まれて一度も、日の目を見なかったヒーローは、舞台をさまよい続けます。
そして、地上から階段を下り、地下の劇場へたどり着いた俳優も。
さらに階下へ、落としてきたものを拾いに降りる。
何を落としてきたのだろうか。
何段目に落としてきたのだろうか。
途方に暮れていても、陽は落ちるばかりで。
だから闇雲に、彼らは自らの手と足で探り続けます。
三月は、これで終わりです。
四月は、また新たに。

演出助手・杉本奈月
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