本日は通し稽古をしました。ここ何回かは、台本が改定された部分を稽古していましたが、一通り稽古が済んだので、頭から通してみて無理がないか確かめる作業でもあります。
久野さんの改定は、俳優の演技を観て行います(と思っています)。こう書くと当たり前やないか、と言われるかもしれません。セリフの文法上での修正ではなく、俳優の演技を踏まえての修正なのです。
ちょっと例えるのが難しいのですが、AとBという登場人物がいます。稽古をする中で、AとBの間にCという関係性が新しく出来て(見えて)来ます。Cは元の台本には明示されていなかった関係です(もしかしたら隠れていたのかもしれませんが)。そのC台本に改定として書き込んでゆきます。そのことでA,Bを演じる俳優は「自覚的に」Cという関係を、演じながら作ろうとします。すると、稽古の試行錯誤の中で、今度はDという関係が出来てきて・・・・。
というような繰り返しを稽古と台本改定の間で行っている、と私は思います。久野さんは台本を書き換えることで演出を行っているのかなあと。
ひとまず頭から終わりまで物語を通すことが出来ました。ですが、そこで作業が終了するわけではありません。稽古の中での関係性の振れ幅や、意識的に出来たこと・できなかったこと、無意識的に出来たこと等を踏まえて、また新しく物語が作れるように稽古してゆきます。
本番の時にもそのくらいの変化が出てきたらいいなあ、と思いながら稽古をしています。
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